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ビジネスサイドにインパクトを与える開発の魅力

池田 悠司/Yuji Ikeda【CTO】

閃きを即実装できるプログラミングの魅力にのめり込んだ学生時代

ーーー学生時代はどんなことを学ばれていたのでしょうか?
大学は電気電子工学科で、元々は電気について勉強していました。電気系のことを学ぶ中に1個だけプログラミングを学ぶ授業があり、そこでプログラミングの面白さに目覚めました。研究室も電気よりは情報寄りの研究室に入りました。
僕はモノづくりが好きなんです。プログラミングは自分が作ったものをすぐに動かして試せて、ものすごく高速でモノづくりができるのがいい。電気のモノづくりは、回路を組んでもなかなか結果が出なかったりするんですが、プログラミングは自分の思想がそのまま真っすぐ実装でき、すぐに結果が出る。そこに一番魅力を感じていたのだと思います。
プログラミングとは別の軸で、学生時代のバイトでアパレルの販売員をしていたことがあります。当初はコミュニケーションを鍛えるためだけに入ったはずだったのですが、そこで沼ってしまいまして(笑)服がめちゃくちゃ好きになりました。
 
 
(アパレル販売時代の恩師がセレクトショップを始めたときに伺った時の動画です。)
 

技術は目的を達成するための手段だと学ぶ

新卒1社目にTISグループのTISソリューションリンクにシステム会社にSEで入社し、1年半ぐらいいました。
転職前提で探していたので、いろいろな業界や現場に配属されるところを求めて独立系のシステムインテグレーターの職を探していました。
愛知県にある大学だったこともあり、車関係の企業が強く、トヨタのロボット系の現場にいました。そこでまずIoTについて学びました。ここでのキャリアが、今の僕の基盤になる「何でも屋」みたいな部分を形成していると感じています。フルスタックエンジニアと呼ばれたりもしますが、仕様の実現力や技術的な応用力がここで鍛え上げられたのだと思います。
また現場で「技術は手段でしかない、目的を達成しよう」という考え方を叩きこまれました。
僕はリハビリの補助ロボットに携わったのですが、患者さんの情報を蓄積する「脳」に当たる部分や、センサーを駆使して各パーツを動かすプログラムなどの「組み込み」と呼ばれる領域の知見が必要です。それ以外にも、サーバーや運動力学、おしゃべり機能が必要になると、言語処理やマイクの入出力のことなど多種多様な知識が一気に必要となります。ロボットを動かすためにあらゆる手段を総動員するため、自ずと知識や応用力がついたと振り返ってみて思います。

お客様の嬉しそうな顔が忘れられずアパレルDXの道へ

ーーーそしてZOZOに移られるのですね。転職理由はどういったものだったのでしょうか?
アパレル販売員の経験が忘れられなかったんです。自分の好きな服をもっと世界に広めたいと思いました。
おしゃれという文化は狭いなと感じていたんです。好きなものをおしゃれに着こなすことが、どこか娯楽と捉えられている気がして。もっと服を楽しめたらみんなもっとハッピーになるんじゃないかと考え、自分の好きなものを自分のスキルを使って、世の中に提供したいと思っていました。
ちょうどこの当時スタートしていたZOZOスーツの部署に配属となり、僕は「スマートファクトリー」といって、ZOZOスーツで得た計測をもとに、自動で服を作るというロボットと似た感じの取り組みに関わりました。
ーーーエンジニアだからできること、自分の好きなものを使って広めたいという思想を実現するのにZOZOがピッタリだったということですね。
アパレル時代、服を買いに行った経験が全くないというお客さまに出会ったことがあります。
その方の接客を担当し、フルコーデを3パターンぐらい作ったらとても喜んでいただけて、以降は何回も来店して下さるようになりました。ご自身が服で変身した姿に驚き感動していたその顔が忘れられず、ずっと頭にあったんですね。
これを世界中でできたらいいなと考えていたところ、ZOZOスーツはまさにそういう思想で、ここしかないなと思い転職。4年間お世話になりました。
僕がここでやったことは、ZOZOのアパレル生産のDX推進みたいなことです。
例えば、デザイナーさんが手作業で作ってたケアラベルタグを全部自動生成させるプログラムを作りました。フォントや配置にもこだわって、素材ごとの基盤をつけて。それこそデザイナーさんをまるごとトレースして同じものを作れるようプログラムして、上のOKをもらって。ZOZOのマルチサイズ商品は僕が作ったタグでデザインされています。
ーーーあのタグってちゃんとデザイナーさんが作っているんですね!
ZOZOはデザインの基準がめちゃくちゃ厳しく、表に出すものは全てチェックされます。それが自動でできるようになり標準化・均一化され、かなりの工数が削減されました。
マルチサイズの商品を届けるまでの生産工程のフロー化みたいなこともやっていました。例えば「今この商品はどこにあるのか」ということを管理するデータベースと、スマートフォン端末で工場内で管理するということもやってました。
ーーー店舗での需要量に合わせて、工場での生産量を自動で予測するといった意味でしょうか?
アパレル業界は、いまだに情報のやりとりがFAXで行われていたりするレベルでデジタル化が遅れているんです。
「FAXの文字をどうやって読み解くか」という、もっと根本的なところからDXが始まりました。
昨今のSDGs的なことでいうと「売れるものしか作らない」という取り組みにも着手していました。made to orderなので、注文した瞬間に工場に連携され、そのサイズが作られるというところまでは到達していたし、確かパンツはできるようになったと思います。生地をいつ調達するか、ボタンをいつ常にある状態にしておくか、といったことも全てシステム化しています。
「マルチサイズ」で検索すると、大手のセレクトショップも結構出て来ると思うのですが、こういった普通のブランドの商品をこのシステムを使って作れます。ZOZOで買うと、SMLだけでなく、SS・MMとか、腕だけ長いとか、胴だけ大きいとか、そのレベルでの「マルチサイズ」発注が可能です。
また、社内契約書の自動締結など、社内の細かなDX推進にも関わりました。アパレルって、契約を締結するまでのステップが独特すぎて複雑なところがあります。従来の生産スパンだと、販売から逆算して企画などが全く定まってない状態から契約も進めないと最後まで行けない。あっち行ったりこっち行ったりするみたいな、物が発生してしまってもう既存の商品既存のプロダクトと一切対応ができないそういった課題にDXでアプローチしました。
ここで働いて、手でやってることを自動化するのはめちゃくちゃ得意になったと思います。

dataisとの出会い

社長とは、ZOZOでマルチサイズの最適化をしているころ出会いました。
当時は起業しようと考えていて、Yentaで社長とピッチのシェアをしていました。当時は起業家同士で互いにサービスのフィードバックをし合っている人が多かったのです。だんだん打ち解けて、そのうちサウナになんかも一緒に行くような仲になりました。
仕事へのお声がけをいただいたときはまだZOZOに所属していて、まずは副業として昨年2月ごろからdataisの営業コンサルとして手伝い始め、8月に入社しました。
ーーーそこに至るまでの状況や心境の変化について少しお話いただけますか。
dataisには今、3人の経営メンバーがいます。僕が開発して、あとの2人がそれを膨らませてくれるんです。
メイン事業であるデータベースを作ったときは、まだ僕が入社を決める前のことでした。
それまでの経験上、エンジニアではない人に作ったモノを託すとプロトタイプを全然導入につなげてもらえないことがよくありました。DXに関わっていると、あまり使わないうちから文句を言ってくるタイプの人に出会うことが割とあります。
でも彼らは違って、ちゃんと売ってきてくれる上に、クライアントの要望を集めてきてくれたりもする。きちんと向き合ってくれるというファクトがあったんです。そのような経験と、それまでZOZOで仕事をしながら感じていた様々なことが結びついて「よし移ろう!」と考え至ったという変化もありました。
ZOZOには「いろいろな人に服を届けたい!」という思いがあって転職したハズだったのですが、これに対する課題は、想像よりもっとずっと根深いことに気づいたんです。服を作って大量に売る、データ化したら、マルチサイズを作れば、など、そんな上辺のDXで解決する問題ではなかった。
もっと上流にある商社間の営業試合、工場と商社の関係、現場の無茶な予算取りなどから滲み出してしまう問題点の連鎖が、結果的に物流を遮断したり、効率の悪いモノ作りをしたりなど、全て良くない方向に進み、いい服が世の中に出回らなくなる。会社がターゲティングを見誤ったせいで売れなかったり、悪いものが出回ってしまうこともあって「なんでそんなターゲットで作るんだよ」「なんであの工場使わないんだよ」みたいに感じることがある中で、そうじゃない営業や企画の人がいると知ったんですよね。
ーーーそれがdataisの共感に繋がってきた。
そうです。
いくら生産工程を最適化したとしても、そもそもの商社間の思想とか、業界に対するスタンスみたいなものが間違い続けてると、いつまでたってもいいものが世の中に出回らないなと思い、その上流を変えるには、dataisがやってるような、どこに何を売ったら、より商品が広まりやすくなるのかみたいなところにスキルを使ってみたいと考えるようになりました。全般のデータを使った最適化みたいなところですね。
僕ならデータベース事業を伸ばせるがZOZOにいたままでは無理だと思って、自分で「やりたい」と手を挙げた感じです。
もともと起業したいと思っていたのも、単にキャリアアップを望んだこともありますが、どちらかというと僕が上位レイヤのところでやる方がいろいろできそうだと思ったからなんです。
ーーー確かに、言われたものを作るより現場と企画と一緒に作っていくところをずっとやっていますし経営者になったのは自然の流れのように思えます。
よく本にも「CTOはエンジニアの延長線上にない」なんてことが書かれていたりします。特にアメリカでは「経営者の中で、技術がちょっと詳しい人」といった位置づけのようです。僕はどちらかというと、そっちのキャリアの延長線上にありそうだなと思いました。振り返ったときにDXなどをやってちょっと意識するようになったっていうのはあります。

本質的なデータプランニングの提案をしたい

ーーーそういえば、dataisってお客さんがさわる画面がないと思うんですが、あれはなぜですか。
はじめは、クライアントごとに画面をカスタマイズしていたら手が回らないという単純なリソースの問題でした。
実際のところ「画面が要る」と要望する方が初期のお客様にはいなくて、むしろ無いままで問題ないという方が多かった。画面から取り出したデータをスプレッドシートにしているというクライアントが多かったのでそういう仕様にしたってのもあるんですけど。
でも、現時点でお答えするなら、僕らの提供する価値が、データマネジメントとかデータプランとかいうところにあるから、だと思います。
データを活用するうえで、画面上でのエラーを解決するなどは、実は本質的な問題ではなく、データプランニングとかデータマネジメントを軸に、データを良くしていく方に注力したいんです。別に画面を作る気がないわけではないのですが、将来的には画面自体はSalesforceとか、kintoneとかいうツールと連携して、裏側に僕らがいるみたいなイメージをしています。
今までのデータベースサービスって「データを売って終わり」みたいなところがあったと思うんです。買ったけど結局どうやって使っていいか分からなくて上から電話してみたけど全部駄目だった、このサービス駄目じゃん、みたいなのがめちゃくちゃあって。まさに競合がそれで解約されているケースが多いんです。
「データをこのように活用したらどうでしょう」「御社にはこのようなデータが必要なのでは?」「既にお持ちのこのデータを使ってこんなことできますね」「このデータを正しい方法で使えるよう整備したらどうでしょう?」など、データ活用のプランニングがそもそも必要なんだと思うんです。
ーーー例えば、商品を売るために「従業員人数」というデータを求めるお客さまに「場所・オフィスの広さ・男女比などを見ると、もっと御社のサービスが売りやすいのでは」と踏み込んでデータを取りに行くサービス、みたいなことでしょうか。
そうですね。あとは例えば「無料顧客の人数を使って優良顧客にするように分析してみませんか」など、既に持ってるデータとつなげたり。「そもそもそのターゲティング合ってますか」みたいなレベルまで踏み込めたらいいなと思っています。
今までで僕が一番分かりやすいなと思った例えは「どんな会社でもキーエンスの営業組織みたいに回せる(サービス)」という表現なんです。キーエンスって別にめちゃくちゃ特別なことやってるわけじゃないと思うんです。普通の会社でも言われているような「ちゃんとしたこと」をしっかりやる・妥協せずにやるっていうことをおそろしく徹底する。それは特別ではないかもしれないけど、実行するのは難しいし、リテラシーがないとできない。そういうレベルまで追求したい。

dataisのエンジニアはココが面白い

ーーー仕事について「やりがい」や「面白さ」といったことを具体的に教えて欲しいです。
dataisは営業が強い会社でもあります。モノを作ってすぐお客さまに提供でき、お客さまの喜びをすぐ知ることができるんです。これはスタートアップでも難しいようなことですが、それを実現できることが面白さややりがいにつながっていると思います。
それから、スタートアップでは扱えないような量のデータを扱えたりします。全国約500万社のデータを扱うというのは、かなりチャレンジングな領域への挑戦になると思いますし、面白みでもあります。
また、Goを書けるエンジニアが結構いる環境で、最新の技術などにも触れやすく、シンプルに「面白い」と思ったりします。
僕自身にとっての面白さは、これは営業が強い会社だからこそですが、プロダクトの初期フェーズからエンプラ企業のお客様が多く、ハードルの高いシステム要件なども体験できることです。
他でもCTOに誘っていただくことがあったのですが、技術に特化した依頼が多かったため、経営に関わることを想像できるようなポジションではないと感じていたんです。ここでは経営にもちゃんと参加できる、というか「参加しろ」って言ってくれて(笑)しかもサポートしてくれるメンバーがいる。これは僕にとってすごく楽しいし面白いことです。
ーーー社員のエンジニアにとっても、CTOとして経営にエンジニアが入り込む状況というのは何か波及効果があると思いますか。
あります!誰が言ってたか忘れてしまったのですが、プロダクトマネジメントのところで頓珍漢なモノを作らなくなる。
よくありますよね、Biz(ビジネスサイド)と開発側での組織の壁があって、なんかよくわかんないもん出来上がったみたいな(笑)
会社によっては、CEOと全然会話をしないCTOなども多いようです。人員不足や、キャリアがエンジニアの延長線上にないっていうことなど理由はあると思いますが。
ーーーdataisはCTOが経営にガッツリ入り込んでいるので、Bizとエンジニアの距離も近く、芯を食ったプロダクトが作れ、手戻りのない環境があるとも捉えられますね!

こんな人と働きたい!

ビジネスサイドにも興味を持ってくれる人と一緒に働きたいです。
フェーズによっては必要かもしれないですが、技術を目的にしてる人はあんまり好きじゃないかも。
例えば「この技術を使うためだけに実装する」とか「この技術を使いたいからその設計にする」とか、業務効率・売り上げ・利益など一切考えずにやるエンジニアの方も結構いらっしゃるんです。
ーーーでもそこはエンジニアの楽しいところでもあったりしますよね。新しい技術を使って試してみたい気持ちも分かるのですが。その辺りdadtaisの環境はどんな感じでしょうか。
そこはバランスを取りたいところですね。ビジネスにもちゃんと影響が出る形で新技術を取り入れてほしい。
そういう意味では「ビジネスが改善されていく過程を楽しめる人」がいいなと思います。
社内外にかかわらず「作って満足」ではなく、自分たちの技術で作ったものが、世の中にインパクトを与えている過程を楽しめるような視野を広く持てる人たち。
これ、言い方難しいんですが、僕は正直に言うと、ちゃんと結果さえ残してくれれば多少サボってもいいかなと思ってる派なんです。業務時間内に想定された作業量を半分で終わらせたら残りの半分は自由というか。
逆に業務時間を満たすためにノロノロ作業して同じ結果を出す、みたいなことをしてほしくない。結果に対する意識が低かったり、改善しようという発想に至らないまま真面目に勤務時間だけ居る人はちょっと遠慮したい。
結果を出してくれたらあとは好きにしてくれたらいい、っていうのはそういう意味です。
ーーー面倒くさがりはエンジニアに向いてるとか聞いたことありますが、そういうことなんですかね(笑)
そうですね(笑)
 
 
僕のナイトルーティン動画です。徹夜の日はこんな感じで仕事してます(笑)良かったらご覧ください。